モラハラ・パワハラ・セクハラ
職場でのいじめで多いものは、モラハラ、パワハラ、セクハラの3つです。モラハラとは、モラル・ハラスメントの略で、言葉や態度、身振りや文書などによって、働く人間の人格や尊厳を傷つけたり、肉体的、精神的に傷を負わせて、その人間が職場を辞めざるを得ない状況に追い込んだり、職場の雰囲気を悪くしたりするものです。モラハラには2種類あり、1つは、こうした行為が純粋に自分の性格や人間性から出ているものであり、もう1つは、権力を使って相手を傷付けるものです。この権力を使った攻撃は、パワー・ハラスメントと呼ばれており、日本においては、職場のいじめの中で実は最も多いと言われています。そして、セクハラは、女性の被害が圧倒的に多いいじめです。
この3つは、提唱者も違うという事もあり、異なった定義だとされていますが、それぞれに共通した概念が含まれており、3つが関連し合って起こっている場合もあります。
1番身近に起こりやすいケースとしては、上司であるという権力を持っており、それがやがてパワハラを引き起こすと、馬鹿にされたくないという自己防衛心が自己愛変質的に変化し、更に攻撃性を増します。それが、例えば上司が男性で攻撃対象者が女性であった場合、セクハラへと変わる可能性もあります。この様に、3つの関係は切り離すことは出来ず、それぞれのいじめの要因となるハラスメントを特定して対処するという事は、実に難しい事と言えるでしょう。
また、モラハラ、パワハラ、セクハラだけでなく、嫉妬や気が合わないといった些細なことから単純に起こってくるいじめもあり、人間が同じ空間にいる限り、こういったいじめを絶滅させるという事は、難しい事なのかもしれません。